戦う二人〜吸血鬼ハンターと吸血鬼〜



「まだ三日経ってないけど、次に血を吸うまで具合悪すぎで、ずっと授業受けれないのは不味いでしょ。その手だって不便だよね」


ぐいっと、腕を彼の口の前に持っていくが、セシルは手で押し返し拒否しようとしてくる。


「いや、だけど……ここ学校だぞ」


だがその力はとても弱いし、目はずっとわたしの腕を見ている。


「そんなのいいから。わたし、さっき一緒に戦って思ったの」


わたし一人じゃ、あの二体を倒す事は出来なかった。

セシルがいなきゃ駄目だった。


「セシル、強くなったね」


わたしの言葉で、いつも仏頂面なセシルの顔に嬉しさが浮かんでいる。


「わたしこれからも、セシルの助けが必要になると思う。だから、あなたにはいつも元気でいてほしい」

「協会は? 怒られるんじゃないのか?」

「セシルが秘密にしてくれるならバレないよ」


まぁ、バレたとしてもちょっと……結構怒られるだけで済むと思う。

セシルはゴクリと喉を鳴らす。


「本当に、いいのか?」


セシルがじっとわたしを見るから、わたしも彼を真っ直ぐ見返した。


「いいよ。倒れでもしたら保健室運んでといてね」


セシルは、恐る恐ると言った感じでわたしの腕をとると、がぶりと噛みついた。

注射よりも強い痛みの後、体から血が抜かれていく感覚が訪れる。

うあー、いつもよりきついかも。座ってからお願いすれば良かった。

セシルはよっぽどお腹が空いていたのががぶがぶと飲んでいく。

お腹、だいぶすかせちゃってたのかな。……三日に一回はやり過ぎ?
でもこれ以上はわたしの体がもたないだろうし、許可が下りないだろうな。

だんだんと視界がチカチカしてくる。

ああ、本当にやばい、これは貧血になるっていうか、なってるし、もう倒れるな。

体も、意識も、立っていられない。
ぐらりと崩れ落ちそうな中、セシルがわたしに手を伸ばす。

それは怪我をしたからずっと使ってなかった左手で……。

手、治ってそうで良かった。