やっぱり、地面っていいな。地に足がつくのは、とても落ち着く。
「ごめん、シャツ破れたよね」
回収したかった椅子の灰は、風に流されたのかもう無くなってしまっていた。
しょうがないので投げたナイフを回収し、スマホで協会に退治したと連絡する。
「このくらい別にいい。学ラン着てればバレないだろ」
「でも、経費で落ちるから後で値段教えて。よし連絡終わり」
ちょっと簡素だったかもしれないけど必要な事は伝えたから、今すぐに連絡するのはこれくらいでいいでしょ。
スマホをスカートの隠しポケットに入れると、ちょうと校舎の中から、お昼の放送が流れ始めた。
あれ、今? 凄く長く感じたけど、まだ全然時間立ってないんだ。
「俺は保健室に戻るから、お前は教室に戻れ。給食を食べ損ねるぞ」
セシルは、いつもより青い顔でそんなことを言う。
日光を浴びながらの影操りに、今朝の血を使っての攻撃。後、さっきの羽を出して空を飛ぶ。
セシルは今日一日で、吸血鬼としての技を使いすぎている。
人が走ったり重い物を持ち上げるには、ご飯を食べて貯めるエネルギーが必要な様に、吸血鬼だって術を使う時は、ご飯を食べてエネルギーを貯めておかなきゃいけない。
今のセシルはそのエネルギーをたくさん使ってしまい、ほぼ無い状態だ。技を使うだけじゃ無くて、生きる為にもエネルギーが必要なのに。
「わたしは、いいや。それよりセシルがご飯を食べなよ」
「は……?」
意味分かっている筈なのに、なんでそんな驚くんだろう?
いや、意味が分かっているから驚いているんだ。いつもはわたしが制限している側だし。
でも、今日は流石に特別。
「セシル、わたしの血を吸っていいよ」
カーディガンとセーラー服を捲り、腕を彼の前に差し出す。



