「戦いは、わたしに任せて」
今、刀は持ってないけど、それ以外の戦い方を知らないわけでじゃない。一通り習ってきた。
わたしは回し蹴りをしようと足を運ぶが、あと少しで当たるって所で机が後ろに急に引いてしまい、当たらなかった。
意外と素早い? いや。
机を見ると、その隣には、机の脚に自分の脚を引っかけた椅子が居る。
急に後ろに下がれたのはこいつが引っ張ったみたい。
「もう一匹いるんだ」
眷属二体とか超連絡案件だし一旦引くか?
そうやって、一瞬でも目の前の敵より、考えを優先してしまったのが油断取りだった。
机と椅子の二つが同時に、わたしを襲う。
やばっ。
防御の姿勢を取ろうとすると、わたしとあれらの間にセシルが入り、攻撃を受ける。
「セシル⁉︎」
「俺の方が頑丈だからな」
スマートにいってくれるけど、ほんと自分の事を顧みないんだから!
わたしはスカートの中、ベルトで太ももにくくりつけているナイフを掴んで取り出す。
学校に持ち込めるような対吸血鬼用の特殊ゴム素材だから、元が非生物だった机や椅子には効きが悪いけど、無いよりはマシな筈。
セシルは自分を攻撃してきた机を掴もうとしていたが、傷のある左手の動きが悪く、逃げられていた。
その逃げた机にナイフを当てに行く。
刀ほどじゃないけど、ナイフの扱いだって慣れたもの。
脚の部分に切りつける様にナイフを当てると机は一瞬怯むが、やはりそこまで効かないみたいで決定打はならなさそう。
セシルを見ると、椅子と戦っているが、攻撃しては逃げてを繰り返す椅子に上手く対応出来ていない。
わたしがセシル見ている間に遅いかかってこようとする机を蹴り飛ばそうとするが、上手く避けられる。
うーん。このままでも別に負けることは無いと思うけど、いつかは人が来ちゃうよね。
もし人が来ちゃったら、その人を庇いながらの戦いになるから、こっちが一気に不利だ。
屋上前の踊り場は他に人が来ないって理由で三年がたまり場にしているらしいから、給食を食べ終わったら……あと、二十分がタイミリミットかな。それまでに決着を付けないと。
セシルに血を使った攻撃をさせたくはない。
なら……。



