「セシル」
うなされている彼に近づいて、肩を揺する。
「ごめん、ごめん……」
「起きてセシル!」
中々起きずに何度も謝っているから強く肩を揺すると、セシルは飛び起きる。
「わっ」
上手くよけれたから良かったものの、ぶつかっちゃいそうなくらいの勢いだった。
「はぁ、はぁ」
ベッドに座った状態の彼に声をかける。
「うなされていたけど、大丈夫?」
額に汗をにじませているセシルは荒く息を吐くと、ギリッと歯を噛みしめた。
「吸血鬼の気配がする」
「え、吸血鬼?」
吸血鬼は、同族である吸血鬼の気配を察知することが出来るから、セシルが言うなら間違いないだろうけど、この学校にはセシル以外の吸血鬼は居ない。
どっかのやつが入り込んだのかな。
わたしがそう思って居ると、セシルはベッドから降りて上履きを履いてた。
「もしかして、行くつもり?」
「当たり前だ。ここは俺の縄張りだ。勝手なことをされて許すわけないだろ」
気が立っているのか、セシルからはこちらまでビリビリするような雰囲気を感じる。
「勝手なことって……そもそも、その吸血鬼が敵性なのか分からないし。敵だとして、わたし、今戦う手段ほぼ無いよ」
いくら吸血鬼ハンターであっても、普段から学校に刀は持ってきていない。
セシルはプラスチックの籠に入れていた学ランを取ると、わたしに投げ渡す。
「俺が戦うからいい」
そう言うと、カーテンを出て走っていってしまう。
「えっ、ちょっと」
なんで、こんなに好戦的なのかな。白菊さんが出てきた夢が関係している?
ってそうじゃなくて。あなたの勝手な行動は認められてない!
「……あー、もう!」
セシルの学ランを持ったまま、彼を追いかけた。



