「ほたる先生って、なんでいっつも敬語なの?」
私にだけじゃなくて、みんなに対していつも先生は敬語を使っている。
砕けている口調の姿を、見たことがない。
完璧なまでに整った言葉遣い。
どんな答えが返ってくるのか。
少しくらい迷ってくれてもいいのに、と期待していた。
でも。
ほたる先生は、ほたる先生だった。
「僕は教師ですから」
そのたったひと言で、この話題、即終了。
早い。早すぎる。
ぶった斬るって、こういうこと。
でも今日は、なんとなく引き下がりたくなかった。
「でもさ、沢村先生は生徒に敬語使わないじゃん!」
「沢村先生は沢村先生です。沢村先生は敬語を使わないことで生徒との距離を縮めるように、あえて意識しているんだと思います」
「じゃあほたる先生は?」
先生の横顔を見つめる。
ちょっとでもこっちを見てくれたら、目が合うのに。
ちっとも合わなくて、矢印が一方通行すぎるのが痛いほど身にしみる。
先生の答えはまたしても早かった。
「距離感を間違えたくないので」
────“距離感”。
今日だけで、その言葉を何回聞いただろう。
敬語は、距離感。
先生は、ずっと敬語。
私は、ずっとタメ口。
それなのに、縮まった気になっていた。
じゃあ今まで『縮まったかもしれない』と思ってたのって。
─────もしかして、私だけ?
私にだけじゃなくて、みんなに対していつも先生は敬語を使っている。
砕けている口調の姿を、見たことがない。
完璧なまでに整った言葉遣い。
どんな答えが返ってくるのか。
少しくらい迷ってくれてもいいのに、と期待していた。
でも。
ほたる先生は、ほたる先生だった。
「僕は教師ですから」
そのたったひと言で、この話題、即終了。
早い。早すぎる。
ぶった斬るって、こういうこと。
でも今日は、なんとなく引き下がりたくなかった。
「でもさ、沢村先生は生徒に敬語使わないじゃん!」
「沢村先生は沢村先生です。沢村先生は敬語を使わないことで生徒との距離を縮めるように、あえて意識しているんだと思います」
「じゃあほたる先生は?」
先生の横顔を見つめる。
ちょっとでもこっちを見てくれたら、目が合うのに。
ちっとも合わなくて、矢印が一方通行すぎるのが痛いほど身にしみる。
先生の答えはまたしても早かった。
「距離感を間違えたくないので」
────“距離感”。
今日だけで、その言葉を何回聞いただろう。
敬語は、距離感。
先生は、ずっと敬語。
私は、ずっとタメ口。
それなのに、縮まった気になっていた。
じゃあ今まで『縮まったかもしれない』と思ってたのって。
─────もしかして、私だけ?



