別れてくれない?浮気性彼氏くん。

「いいよ、伊桜里」


『ありがとう、大好き』


「そういう軽いとこがあるから浮気男になんだよバーカ」


『バカってなんだよ、お前こそ、狙ってるやつ多いくせに、無自覚でさ。付き合ってたとき、守りきれるか心配だったんですけど?』


「狙ってるって何を?私がおかわりしまくった給食のデザート?それとも裁縫で作った小物?」


『は?』


「え?」


『お前頭狂ってんの?』


「そっちこそ!浮気男に言われる筋合いないから」


『っ、それは悪かったって』


「うん、聞き飽きた」


『……あのさ、もう1回チャンスが欲しい。頼む、…本気なんだ』


「嫌」


『頼むって〜、乃慧が大好きなクッキー作るから〜!ねっ?』


その言葉に、フッと笑いがこぼれる。


「それだけはもらっとく」


『え!ずるくない!?』


今、言わなきゃ。


この関係を、さっさと終わらせるのが、この電話をかける約束をした目的なんだから。


「伊桜里…」