言い合いになってしまったあの日から4日間が経った日曜。
朝ちゃんにどう謝ろうか、何度も何度もシチュエーションやメッセージの文面を考えてもまとまらない。
頭の中には、朝ちゃんの悲しそうな顔ばかりが張り付いている。
気がつけば、私はスマホからトワイライトの曲を流していた。
朝ちゃんとふたりで歌っている曲を聴きながらベッドに寝転ぶ。
『私たちは、音楽で、心で繋がってるって思ってた!でも……違ったんだね』
『違う?じゃあなんで、トワイライト以外の話をするの?』
『私は、ずっとトワイライトだけをやっていたい。トワイライトを守りたい。あの人の言葉を聞いて、よるもムカついてくれてると思ってたのに!』
朝ちゃんはあんなにもトワイライトを思ってくれていたのに。
私は、自信のなさでそんな朝ちゃんの気持ちさえ踏み躙ってしまった。
本当、ずっとヘタレでダメダメな自分のことが、つくづく嫌に───。
違う。
『よるーー!新曲聴かせて!』
『なにこの曲、誰の曲!?最高!!しかも立花さんってギター弾けて歌もあんなに上手に歌えるの!?ヤバいって!どうしよう、私ずっと心臓バクバクしてる!ほんとすごかった!』
『誰にも言わない。だからもう少しここで立花さんの歌、聞いてもいいかな?』
『立花さんの作る曲に惚れたから、かな』
目を瞑って曲を聴いていると、次々に浮かんでくる朝ちゃんとの思い出に、自然と涙が頬を伝う。
朝ちゃんが何度も向けてくれた、太陽みたいな眩しい笑顔。
そう。
私は、朝ちゃんに出会って、少しずつ自分のことが好きになれたんだ。
朝ちゃんの隣にいる自分は、好きだった。
たくさん朝ちゃんからもらったのに。
これからも同じ時間を過ごしたいと思っていたはずなのに。
それなのに、私は朝ちゃんに何も伝えられていない。
『朝が眩しくて爽やかって思えるのは、夜が光を柔らかく包んでいるからだよ』
『私は私のままでいいし、よるだってよるのままでいい。よるだからこそ、誰よりも繊細で寄り添える詩が書ける。ネガティブも長所なんだって!どこかで聞いたよ。大事な宝物っ』
そう言ってくれたのは、大好きな彼女なのに。
私は、朝ちゃんに、面と向かって、自分の気持ちを伝えただろうか。
ううん。
ごめんねのたった4文字だって伝えられていない。
だけど、直接なんて怖い。
もともと臆病すぎる私だ。
それならどうやって伝える───?
寝返りを打って目を開いた先に、相棒であるギターが立てかけられていた。
直接言葉にできかったから、音に乗せたんだ。



