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聖なる夜ともいわれる、クリスマス・イヴ当日。その日はあっという間に訪れた。
待ち合わせ場所まで駆け足で向かいながら、スマホの画面を確認する。
そこに示されている時刻は“17:10”。
――完全な遅刻だ。早めに家を出て、近くの書店で時間を潰して待っていたっていうのに……まさか道中で迷子に遭遇するだなんて思ってもみなかった。
母親が思ったよりも早く見つかったから良かったけど……黒瀬くん、待ってくれてるかな。
黒瀬くんには遅れそうな旨を説明して、近くのカフェにでも入って待っていてほしいとメッセージは入れてあるけど……急がないと。
待ち合わせ時刻から遅れること十五分。
駅近くにあるからくり時計の下に、黒瀬くんの後ろ姿が見えた。寒かっただろうに、外で待っていてくれたみたいだ。
そして、黒瀬くんの隣に人影が一人分。
――それは、見知らぬ男の子だった。
いつもは女の子と一緒にいるイメージがあったから、年の近そうな同性の子と話している黒瀬くんを見るのは、何だか新鮮に感じる。



