ホテルを出て一人で歩いていた最中。
後ろからの呼び声に、私は反射で振り向いた。
「やぁ、お姉さん」
だけど、振り向いた先。
頭の中に思い浮かべていた人物は――そこにはいなかった。
「はは、あからさまにガッカリした顔させちゃった」
「……あなたが“佐藤さん”ですか?」
そこに立っていたのは、バーで声を掛けてきた男性だった。
こっちは訳も分からぬまま着飾られてパーティー会場に連れていかれて、最後まで意味の分からなかった時間を過ごしていたというのに――いけしゃあしゃあと笑っている姿に、怒りが込み上げてくる。



