逃げられるものならお好きにどうぞ。



「はぁ、やだやだ。こんな所でいちゃつかないでほしいんだけど」

「本当だよね~。リア充なんて花火と一緒に派手に大破しちゃえばいいのに」

「ったく、何バカなこと言ってんだ」



そこに聞こえてきたのは、聞き覚えがあり過ぎる、三つの声だった。



「……って、美代さん!? 萌黄さんに、皇さんまで……!」



黒地に朝顔が描かれている可愛らしい浴衣をきた美代さんを先頭にして、美味しそうにりんご飴を食べている萌黄さんと、普段と変わりない格好をした皇さんが立っていた。



「はぁ、まーたお邪魔虫がやってきた」

「だーれがお邪魔虫ですって?」

「毎度毎度、雰囲気をことごとくぶち壊してくれる誰かさんたちのことだけど?」



悪態を漏らす椿くんに、美代さんはいち早く反応して目をつり上げていたけど、すぐに表情を和らげた。

私たちの目の前に、持参したらしいレジャーシートを敷いて座り始める。