逃げられるものならお好きにどうぞ。



皇さんと話している間に、騒ぎもだいぶ落ち着いたみたいだ。

何人かは外に逃げたみたいだし、椿くんに倒されて床に転がっている人たちが十数人はいる。

私と話していた三人組も地面に倒れているから、椿くんに向かっていって返り討ちに遭ったのかもしれない。



「……いた、お姉さん」



椿くんは、私に気づいて駆け寄ってくる。

すると、倒れていた一人の男がふらりと立ち上がった。

床に転がっていたボトルを手にして、それを椿くんの後頭部に向かって思いきり振りかぶる。



「っ、椿くん、後ろ!」



だけど私の声が届く前に、ボトルは振り下ろされる。

パリンッと大きな音を立てて、ボトルの破片が砕けて飛び散った。