「ちょ、ちょっと待ってください皇さん! 私は大丈夫なので……それよりも、これがどういう状況なのか説明してください!」
「……そうだな。まず、椿に連絡したのは俺だ」
「……やっぱり、皇さんだったんですね」
「あぁ。だが、俺は事実を伝えただけで、椿に何か特別な指示をしたわけじゃない。ああして暴れてるのは、椿本人の意思だ」
「意思って……椿くんに、何て言ったんですか?」
「嬢ちゃんが、お前のために一人で敵地に乗り込んだって伝えただけだ」
「いや……それは少し語弊がありませんか?」
「端的に言えばその通りだろ?」
皇さんは悪びれている様子もなく平然としているけど、やっぱりその伝え方では誤解を招いてしまうと思う。
私は椿くんの記憶を取り戻す方法を聞くためにここにきたけれど、この店にいる人たちが私の敵というわけではないし。
というか、だから椿くんは、この店内にいる人たちを敵と認識して暴れまわっているってことだよね?



