「って、椿くん!? どうして……もしかして、萌黄さんが椿くんに教えたんですか!?」
「ううん、俺じゃないよ~」
「それじゃあ、一体誰が……」
「俺だ」
振り向けば、そこにはつい先ほど外で別れたはずの皇さんが立っていた。
「……皇さん。もしかしてついてきたんですか?」
「あぁ。だが嬢ちゃんに言われた通り、大人しくしてただろ? にしても……」
目の前で屈んだ皇さんが、私の左頬に触れる。
瞬間、ピリリとした痛みが走った。
「嬢ちゃんを……堅気の女を殴るなんざ、許せねぇな」
剣呑な声で呟いた皇さんは、騒ぎを見に行った三人の男たちのいる方を見て、立ち上がろうとする。



