逃げられるものならお好きにどうぞ。



「ちょうど実験体になってくれる奴をさがしてたんだよなぁ。……嬢ちゃん、これを飲んで感想を聞かせてくれるか?」

「お断りします!」



逃げ出そうとすれば、男に手を掴まれた。

そのまま強引に引っ張られて、ソファの上に押し倒される。



「っ、……離してください」

「欲しいものがタダで手に入るだなんて、世の中そんなに甘くはねぇんだぞ?」

「憂美からは、何してもいいって聞いてるしなぁ」



抵抗していれば、一人の男に頬を思いきり引っ叩かれる。



「あんま抵抗すんなって。な? 俺らだって、嬢ちゃんに痛い思いさせるつもりはねぇんだからよ」

「っ、……」



椿くんの記憶を取り戻すためにきたはずなのに、まさか、私の記憶を消されちゃいそうになるだなんて。


薬だけは絶対に飲むまいと頑なに口を閉じながら、どうしようかと必死に思考を巡らせている。――その時だった。