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「ダメに決まってるでしょ! 私は反対よ!」
勢いよく立ち上がった美代さんが、ドンッと鈍い音を響かせて机に拳を叩きつける。
「でも、一人で来るように言われてるんです」
憂美さんからの返信には、時間と場所といった情報だけが簡潔に記されていた。
そして掛かってきた電話で、必ず一人で来るようにと言われた。
だけど口外するなとは言われなかった。
だから、もしものことがあった時のためにも、信用できる美代さんたちに伝えておくことにした。――んだけど、美代さんは怖い顔をして目をつり上げている。
「一人で来いだなんて、ますます怪しいじゃない! いい? 何度でも言うけど、絶対にダメよ! 百合子ちゃんが行くなら、私も一緒に付いて行くから!」
憂美さんからは、指定された場所に一人できてくれれば、記憶を戻す方法を知っている人物に会わせてあげると言われている。
美代さんの言う通り、正直、すごく怪しいとは思う。
だって多分憂美さんは、椿くんに対して、知人や友人の枠には収まりきらない感情を抱いていると思うから。
だから椿くんと付き合っている私に対して、良い感情を抱いていないはず。
私の存在を、邪魔くらいに思っていてもおかしくない。



