「本当に何なの? 意味がわからないんだけど」
「いやー、それは自分の胸に手を当てて、よ~く考えてみた方がいいんじゃない?」
「……はぁ?」
眉根を寄せた椿くんは、やっぱり不思議そうな顔をして首を傾げながら、掴まれている美代さんの手をそっと払った。
そして、近くにあった椅子を引いてきたかと思えば――何故か私の真横に腰掛ける。
「というかお姉さんさ、やっぱり美代さんたちの知り合いだったんだ。それであの時、俺に声を掛けてきたんだよね?」
「っ、私は……」
「それならそうと、初めから言ってくれたらよかったのに。身体目的の女だって勘違いしちゃったじゃん」
軽薄な笑みを湛えてそんなことを言われてしまえば、やっぱり、胸がツキリと痛む。
だけど次の瞬間、椿くんは、派手な音を立てて地面に倒れ込んでいた。



