「はぁ? 椿が記憶喪失!?」
“Bar curación”にて。
私の話を聞いた美代さんたちは、揃って驚きを顕わにしている。
「はい。多分ですけど……椿くん、私のこと、何にも覚えてないみたいでした」
「それさぁ、椿がふざけてるだけってことはないの?」
「いえ、それはないと思います。嘘を吐いているようには見えなかったので」
萌黄さんの言葉に、あの時の椿くんの様子を思い出してみるけど……やっぱり記憶のない振りをしているようには見えなかったし、そもそも、椿くんがそんな嘘を吐く理由も思いつかない。
「もしかしたら……」
「慎二さん、何か心当たりでもあるんですか?」
何か考え込んでいる様子の皇さんに、隣に座っている美代さんが尋ねる。



