逃げられるものならお好きにどうぞ。



「っ、すみません」

「大丈夫だ。俺が運んでってやるから、そのまま寝ちまっていいぞ」

「いえ、でも……」

「それに、そんなふらふらな身体で隣を歩かれる方が迷惑だな」

「……すみません」



謝れば、皇さんは優しい顔で笑いながら私の頭をポンと撫でてくれる。



「皆、嬢ちゃんのことが心配なんだ。あんま一人で抱え込むんじゃねーぞ」



寝不足と疲労で思考回路も鈍っていた私は、体勢を立て直す気力も残っていなかったので、申し訳なく思いながらも皇さんに甘えることにした。

そして、そのまま意識を手放した。