逃げられるものならお好きにどうぞ。



「アイス、どれにする?」

「俺はソーダにしようかな」



冷凍ケースからソーダアイスを選んだ椿くんに続いて、私は黒いパッケージのチョコアイスを取り出す。

レジでお会計を済ませて、店前のベンチに二人で腰掛けながら、冷たいアイスを頬張った。



「でもベタなことをするなら、まずはご挨拶からかな? 娘さんを俺にくださいってやつ」



アイスをあっという間に食べ終えてしまった椿くんは、話を戻して、自分の考えを口にする。

「娘さんを俺にください」って、ドラマとかマンガでよく聞く常套句でもあるけど……実際に言ってる人って、本当にいるのだろうか。