「クリスマスマーケットで会って以来だな」
「……そうだね」
「お前、どうせこのまま家に帰るだけで予定なんてないんだろ? 俺がこのまま、飯でも連れて行ってやるよ」
「……これから飲み会なんじゃないの?」
「別にアイツらとはいつでも飲めるしな。ほら、さっさと行くぞ」
私は何も了承していないのに、強引に話を進めようとする小林に、苛々が募っていく。
「……行かない」
「はぁ? 何でだよ。せっかく俺が誘ってやってんのに…「もう、私に話しかけてこないで」
「……は?」
「私は小林と話すことも、話したいこともないから。……さよなら」
わざと小林の言葉を遮った。視線を逸らしたまま冷淡な言葉を吐き捨てて、この場に背を向ける。
だけど小林は、私を簡単には行かせてはくれない。左手首を掴まれてたたらを踏んでいる間に、前に回り込まれてしまう。



