「ちょっとちょっと! 百合子の彼氏くん、イケメン過ぎてびっくりしちゃった! あんな優良物件中々ないんだから、絶っっ対に逃がしちゃ駄目だからね!?」
「あはは、うん。それでゆっちゃんは、これからどこか行くところだったの?」
「あ、実はね、これから中学の時の子と何人かで集まって飲みに行く予定なのよ。百合子も一緒にどう? って言いたいところだけど……さすがに彼氏くんを置いて行けないわよね」
「うん、ごめんね」
「大丈夫よ! また機会があったら誘うから。百合子も、またこっちに帰ってくる時は、連絡ちょうだいね」
「分かった。連絡するね」
「あ、っていうか、まずは連絡先を交換しましょ。私、専門入ってる時にスマホ水没させちゃってさ。連絡先全部消えちゃったのよ」
スマホの連絡ツールアプリを開いて、ゆっちゃんと連絡先を交換していれば、前方から誰かが近づいてくる足音が聞こえてくる。
顔を上げた私は、その人物を視界に映して――その瞬間、自分の胸の中がスッと冷えていくのを感じた。



