「今飲み物を入れるわね。紅茶に珈琲に緑茶、麦茶、ジュースもあるわよ。椿くんは何がいい?」
「それじゃあ、珈琲をお願いしてもいいですか?」
「もちろんよ。アイスでいいかしら?」
「はい、大丈夫です」
お母さんは上機嫌でキッチンに向かっていく。ウチはLDKの間取りになっているから、キッチンからでもリビングがよく見える。
椿くんにはリビングのソファに座って待っていてもらうことにして、私も手伝おうとキッチンに続いた。
「お母さん、私も珈琲でお願い。グラス出すね」
「はいはい、分かってるわよ。というか百合子たち、こっちではホテルをとってあるんだっけ?」
「うん、ちゃんと予約してあるよ」
「せっかくだし、このままウチに泊まっていけばよかったのに。あぁでも、それじゃあ椿くんが気を遣っちゃうわよね」
ちゃっかり椿くんと名前呼びしているお母さんは、木製のトレーにアイス珈琲二つと、お店のクッキーが並んでいる皿を置いて、私に手渡してくる。持って行けということだろう。受け取って、椿くんが待つリビングに向かう。



