「百合子さん、大丈夫?」
少しぼうっとしていたら、椿くんに顔を覗き込まれた。
「大丈夫だよ。……あ、そうだ。もう終わっちゃったけど、八月の上旬には長岡の方で大きな花火大会もあるんだよ」
「うん、聞いたことあるよ。確か県外からも、毎年すごい人がくるんだよね。百合子さんはよく見に行ってたの?」
「うん、家族とか地元の友達と見に行ってたよ。でも社会人になってからは、全然行けてないなぁ」
「それじゃあ来年は、一緒に見に行こうよ」
そう言った椿くんは、当然のように一年後の約束をしてくれる。
――きっと、私が不安に思うことなんてないんだ。
誰に何を言われたって、私は椿くんが好きで、椿くんも私を大切にしてくれているって分かる。伝わってくる。
他人の言葉に惑わされて要らない心配をするくらいなら、椿くんとどんな楽しい思い出を作っていくかを考えたい。今この瞬間を、大切にしていきたい。
それに、もし憂美さんが言うような不穏な未来が待っていたとしても、椿くんと一緒なら、乗り越えていけるって……私は信じてるから。



