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東京から新幹線に乗って、約二時間。
私の地元は、新潟市の郊外に位置する。新潟駅で降り、駅前に停まるノンステップバスに乗り換えて、母親にもう直ぐで着く旨のメッセージを送る。
「此処が百合子さんの地元かぁ。新潟、はじめて来たよ」
「ご飯も美味しいし、自然も多くて良いところだよ。東京に比べれば、レジャー施設とかはあんまりないんだけど……」
「俺、旅行とかで県外に行ったことってほとんどないんだけど、やっぱり空気感とかが全然違うよね。というか、百合子さんがこの地で育ったんだと思うと、それだけで感動する」
「ふふ、何それ」
空いていた後ろの方の席に並んで腰かけて、椿くんと他愛のない話をする。
――喫茶店で憂美さんと遭遇してから数週間は経っているけれど、結局憂美さんのことは、椿くんに聞けていない。せっかくの楽しい空気を壊しちゃう気がしたし、何より……憂美さんの名前を出した時の椿くんの反応を見るのが、怖くて。



