逃げられるものならお好きにどうぞ。



「ふふ、ごめんってば。ほら、百合子の好きなトマトあげるから、機嫌直してよ」

「もう、それは三奈が苦手なだけでしょ」

「いつもありがとうございまーす」



――全く三奈ってば、ちゃっかりしてるんだから。トマトは普通に好きだし、こうして三奈の分を食べてあげるのはいつものことだから、別にいいんだけどね。



「で、誕生日はどうだったの? 当日は彼氏くんと一緒に過ごしたんでしょ?」

「うん。気になってた映画を観たりケーキを食べたりして、家でのんびり過ごしたよ」



椿くんは外食の予定も立てようとしてくれていたけど、家の方が人目を気にせずにお喋りしたり、触れ合ったりできるかなって……そう思ったから。

私の方から家で過ごしたいってお願いしたんだよね。