逃げられるものならお好きにどうぞ。



「……憂美」

「ふふ、お久しぶりね」



美代さんが苦々しい声で名前を呼ぶ。すごく綺麗な女性だ。

どうやら、美代さんと皇さんの顔見知りらしい。だけどこの人、どこかで見たことある気がするんだけど……気のせいかな。


ジッと見つめていれば、目が合ってしまった。

会釈すれば、憂美さんというらしい女性はニコリと綺麗な笑みを浮かべて、挨拶してくれる。



「はじめまして。貴女、百合子さんよね?」

「はい。あの、どうして私の名前を知ってるんですか?」

「ふふ、貴女の話を聞いたことがあるの」

「はぁ? 話を聞いたって、誰から聞いたのよ」



何故か反応を示した美代さんが、怖い顔をして憂美さんに突っかかる。