「し、慎二さん!」
「ん? おぉ、美代に……嬢ちゃん? 何だ、二人で買い物か?」
ブランド物にあまり詳しくない私でも知っているキートンのスーツに身を包んだ皇さんは、髪もきっちりセットしていて、左手首にも高そうな腕時計をつけている。
「慎二さんは、お出かけですか?」
「あぁ、家の関係でちょっとな。まだ時間があるから、どっかで休んでこうと思ってぶらついてたんだ」
「そ、それなら、一緒にお昼でもどうですか?」
美代さんの誘いに、皇さんはどこか迷っているような表情になる。
「そりゃあ嬉しい誘いだが……嬢ちゃんは、それでもいいのか?」
美代さんと話していた皇さんの視線が、私に向けられた。不意打ちのまなざしは、私の心の内を探るようで、見透かそうとしているようにも感じる。
この前、車で送ってもらった時のことを思い出して、心臓がドキリと嫌な音を立てる。
「え、っと、はい。私は全然大丈夫ですよ」
「……そうか。なら、俺も邪魔させてもらうかな」
皇さんが頷けば、美代さんは、その愛らしい顔にパアッと喜色を広げた。



