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「それで、椿にしたお願いがそれってわけね」
美代さんは、私の右耳でささやかに主張しているシルバーピアスに視線を向けている。
私がしたお願いは、ピアスの穴を開けてほしいということだった。以前のバレンタインにピアスをプレゼントした時、いつか開けてくれると言っていたし、ちょうどいい機会だと思って。
開ける時は痛いんだろうなってドキドキしたけど、椿くんは耳朶を冷やして他愛のない話をしてくれている間に、私に声を掛けることもなく勢いよく開けてくれた。
パチンッと大きな音がしてすごく驚いたけど、想像していたような痛みもなかったし、やっぱり椿くんに頼んで正解だったと思う。
そして椿くんは、二人で出掛けた時、ブランドもののアクセサリーショップのお店で、片耳ずつ付けられるペアのピアスを買ってプレゼントしてくれた。
「お揃いにしよう」って。だからもう片方は、椿くんの左耳に付いている。
「椿の奴、相当嬉しかったでしょうね。デレデレしてる顔が思い浮かぶわ」
私の話を聞いてくれた美代さんが、呆れ顔で言う。
デレデレはしていなかったと思うけど……互いの耳に付けられたお揃いのピアスを見た椿くんが、すごく嬉しそうに笑ってくれた顔は、私の脳裏にしっかりと焼き付いている。



