もしかして昨晩も、話し中に具合が悪くなって、先に部屋に戻ったのかな? でも、私の記憶が全然ないっていうのが不可解すぎるんだけど……。
自分でも気づかないうちにアルコールでも摂取してしまったんだろうか?
疑問は残るけど、とりあえず佐々木ちゃんとホテルを出て、近場のカフェでモーニングを食べながら、今日の軽い打ち合わせをした。
林くんにも体調を気遣うメッセージを入れてから、二人で他社に赴いてミーティングを終えれば、時刻は十五時過ぎ。
スムーズに話し合いが進んだこともあって、予定よりもだいぶ早くに終了することができた。
仕事用のスーツから私服に着替えて、ホテルで預かってもらっていた荷物を受け取りに行く。
「百合子先輩! 良ければ今日も、夕食ご一緒してもいいですか?」
佐々木ちゃんのお誘いはすごく嬉しいけど、先約があるので、申し訳なく思いながらもお断りの言葉を告げることにする。
「――ごめんね。ここからの百合子さんの時間は、俺が予約済みなんだ」
「っ、椿くん」
だけど私が口を開くよりも早く、気配もなく背後から現れた椿くんに肩を抱かれて、引き寄せられた。



