「お前、百合子さんにクスリを盛ったんだろ? はは、ほんっと、ムカつくなぁ」
「ひっ……ご、ごめ、なさ……」
「ねぇ、分かってると思うけどさ。今度この人に近づいたら……本気で殺すから」
「あ、ぁ……は、はい……」
力なく頷いた林が気を失ったところで、椿は漸くその手をはなした。まるで汚いゴミでも捨てるかのような乱雑さでドサリと床に転がすと、ベッドで眠っている百合子に近づく。
そして、林の返り血が付着していない左手の方で、眠る百合子の頬を一撫でする。
顔色が悪くないか、身体に異常はないかをその目で確認してから、百合子の身体にしっかり布団をかけて、誰かに電話をかける。
「――あぁ、うん。後始末は頼んだ」
用件を端的に話して通話を切ると、ボロ雑巾のように転がされていた林の身体を肩に担いで、静かに部屋を出ていった。



