「あ、よければこれ飲んでください。さっき売店で買ったんです。話を聞いてもらうお礼にと思って」
林くんが差し出してくれたのは、珈琲牛乳だ。温泉とかによく売っている、瓶タイプのもの。
瓶は少しだけ汗をかいているけど、まだ買ったばかりなのだろう、よく冷えている。
「ありがとう。こういうタイプの珈琲牛乳って、久しぶりに飲むかも」
「お風呂上がりの牛乳って、何だか美味しく感じませんか? 俺、こういう旅先とかで見かけると、つい買っちゃうんですよね」
「うん、分かるかも。宿泊先とかで飲むのって、特別美味しく感じたりするよね」
有難く受け取った珈琲牛乳のキャップを開けて、喉に流し込む。
……うん、甘くてよく冷えていて美味しい。シャワーを浴びて火照った身体に、染み渡る感じがする。
「それで、話っていうのは?」
林くんに鏡台の前にあった丸椅子に座るよう勧めて、時間もあまりないから、早速相談を聞くことにする。
長居してもらうつもりはないから、聞く姿勢としては失礼かもしれないけど、私は立ったままで話を聞かせてもらうことにした。



