「……どうしても駄目ですか?」
「うん、さすがに部屋に二人きりはね」
「俺の相談っていうのが、どうしても、人には聞かれたくない内容なんです! 十分……いや、五分だけでもいいです。話を聞いてもらったら、すぐに出ていきますから。それでも、駄目ですか?」
思い詰めたような顔をした林くんに、縋るようなまなざしを向けられる。
再度断りの言葉を伝えようとして……だけど私の口は、気づけば正反対の言葉を紡いでいた。
「……分かった。それじゃあ十分だけなら」
「っ、ありがとうございます!」
深々と頭を下げる林くんを見ながら、心の中で(椿くん、ごめんね)と謝って、林くんを部屋に招き入れた。



