「だって百合子さん、あの時、俺の拘束から抜け出せなかったよね? 俺言ったよ? 出来なかったら、出張に付いていくって」
「なっ、それは……」
「ダメだよ。自分が言った言葉には、ちゃーんと責任を持たないとね」
ニコリと笑っている椿くんの言っていることは、ちょっと横暴だと思う。そもそも今朝の時点で、あえて黙っていたのもひどい。
付いてくるつもりなら、教えてくれたらよかったのに。……いや、教えられたとしても、絶対に付いてこないでねと念を押していただろうけど。
「と、とにかく、今は職場の人たちもいるんだから、椿くんとは一緒にいられないからね!」
椿くんと話しながらも、いつ佐々木ちゃんたちが戻ってきてしまうかと、ソワソワしてしまう。
こんな場面を見られたら、色々と突っ込まれてしまうに決まってる。彼氏が付いてきてました、なんて正直に話すのは、かなり気恥ずかしいし。先輩としての威厳を失ってしまう気もする。



