逃げられるものならお好きにどうぞ。



「林くん、おかえりなさい」

「……はい、お待たせしました」

「林くん、何かあった? 何だか浮かない顔をしてるように見えるけど……」

「い、いえ! 何でもないですから」



どことなく顔色も悪いし、明らかに元気がないように見えるけど、林くんは笑みを浮かべてそれを否定する。

まぁ、誰だって詮索されたくないことの一つや二つはあるだろうし……無理に聞こうとするのはよくないよね。



「それじゃあ、このまま三人で夕食でも食べに行こうか。今日は私の奢りだよ」

「わ、本当ですか? やったー! 何食べますか?」



るんるんご機嫌に歩き出した佐々木ちゃんに続いて、林くんと一緒に足を踏みだす。



「林くんは、何か食べたいものとかある?」

「俺は……好き嫌いもないですし何でも食べれますから、二人で決めちゃってください」

「……そっか。何がいいかなぁ」



早速スマホで食べログなんかをチェックしている佐々木ちゃんも交えて、何を食べようかなと話しながら、とりあえずホテル方面に向かって歩いていく。