「……っと、ワリィな。嬢ちゃんが聞いてもつまらねぇ話だよな」
だけど、私の視線に気づいたらしい皇さんが、申し訳なさそうな顔で謝ってくるから、私はいやいやと首を横に振る。
「いえいえ、私のことはお気になさらず! むしろ邪魔してしまってすみません。お仕事の話、続けてください。もし聞かない方がいい内容だったら、席を移動するので……」
「はは、せっかく嬢ちゃんがきてくれたのに、そんな勿体ないことはしねーさ」
腰を上げようとすれば、皇さんにやんわり制されてしまった。
そのまま座りなおせば、萌黄さんがニマニマと気持ちの悪い笑みを浮かべていることに気づく。
「へぇ、ふーん、なるほどねぇ」
「萌黄さん、その顔どうしたんですか? ……ちょっと気持ち悪いです」
「えっ、気持ち悪いはひどくない!? 百合子ちゃん、もしかして椿の毒舌が移っちゃったんじゃないの!?」
ガーンッとショックを受けた顔で詰め寄ってきた萌黄さんだったけど、タイミングよく飲み物を運んできた椿くんが、間に入ってくる。



