逃げられるものならお好きにどうぞ。



***


「あ、お姉ちゃん! やっときた!」

「ごめんね、遅くなっちゃって」



軽やかなBGMが流れる喫茶店で、先に席についていた佐々木優芽は立ち上がり、手を挙げる。


遅れてやってきたのは、目鼻立ちの整った美しい女性だ。

二人は血の繋がった姉妹であり、その顔立ちはよく見ればかなり似ている。垂れ目のところなんかはそっくりだ。


けれど、落ち着きがあり大人の色香を纏っている姉とは違い、妹の方は、ぽやぽやとした柔らかな雰囲気を纏ってはいるから、パッと見では姉妹と気づかれないかもしれない。