逃げられるものならお好きにどうぞ。



「黒瀬くんも一緒に食べよう?」

「ううん、俺はいいよ。百合子さんが美味しそうに食べてる姿を見られたら、それで十分」

「……でも、お腹が空いたら我慢しないで言ってね? 食べたいものがあれば、私、買ってくるから」

「うん。ありがとう百合子さん」



いつもの調子を取り戻したらしい黒瀬くんの甘い言葉はスルーさせてもらって、それでは遠慮なくと、お茶漬けを頬張った。


甘めで濃い味付けだけど、出汁がさっぱりしていて、生姜がいいアクセントになっている。

すごく美味しくて、いくらでも食べられそうだ。


黒瀬くんはあまりお腹が空いていないらしく、萌黄さんが持ってきた(というか、黒瀬くんが売店に買いに行かせていた)10秒チャージタイプのゼリーを飲んでいる。