「何、これ……」
「っ、ごめん、百合子さん……」
私の腕の中で辛そうに顔を歪めていた黒瀬くんが、力なく崩れ落ちる。
――今、黒瀬くんが、刺されたの? ……何で? どうして、どうして、どうして……。
「椿!」
「おい、大丈夫か!?」
「椿、しっかりしなさい! って、百合子ちゃん!? ちょっと、だいじょぅ――」
バタバタと響く、いくつもの足音。萌黄さんに皇さん、美代さんの声が、少しずつ遠くなっていく。
――そして私は、黒瀬くんの後を追うようにして、そのまま気を失ってしまった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…