「あ、黒瀬くん。おみくじだって。引いてみようよ」
六角柱の木箱の中に、数字が書かれた棒が入っているタイプのものだ。
ジャラジャラと音を鳴らしてみれば、私が引いた棒には“四”の数字が書かれていた。
社務所にいる巫女さんに数字を伝えておみくじを受け取り、黒瀬くんと一緒に結果を確認する。
どうやら黒瀬くんは末吉だったみたいで、何とも微妙そうな顔をしている。
「確か末吉って、凶の次に悪いやつだよね」
「うん。でも、これから良いことがあるっていう意味だから大丈夫だよって、小さい頃おばあちゃんが言ってたよ」
「え、今の時点で幸せ絶頂なのに、これから先もっと良いことがあるってこと?」
「ふふ、すっごいポジティブ思考」
「百合子さんはどうだった?」
「私はね、吉だったよ。願事は……“のぞみのまゝです。人の言葉に迷うな”って書いてある。黒瀬くんは何て書いてあった?」
「俺は、“すこし時がかかるが叶う”だってさ。まぁ、もう叶ってるようなものだけど……」
意味深な言葉を呟いた黒瀬くんは、私のおみくじを覗き込んでくる。



