逃げられるものならお好きにどうぞ。



「それって、もう願い事じゃないよね?」

「だって願うまでもない、確定事項だからね」



どうやら黒瀬くんの中では、これから先の未来でも私と一緒にいることが、もう決まっていたみたいだ。


――そうやって当たり前みたいに、私が望む居場所を与えてくれて、温かな未来を約束してくれる黒瀬くんは、やっぱりズルいなぁって、そう思う。

だって私ばかり、貰っている気がするから。



「……ありがとう」

「うん? 何でお礼なの?」

「だって……嬉しかったから」

「それじゃあ、どういたしまして」



クスクス笑っている黒瀬くんには、私の気持ちなんてお見通しなんだろうな。


はなれていた手を繋がれる。

顔を見合わせれば、自然と笑みが漏れる。


そして、様々な願いが所狭しと詰まっている絵馬掛がある場所まで行き、私たちの書いた絵馬も仲間に入れてもらった。