「ほら、早く行こ。時間は有限! 回りたいところも、まだまだたくさんあるんだからね」
「うん、そうだね。神様に願うまでもないけど、百合子さんとの縁が生涯……いや、生まれ変わってからも確実につながってるように、神様には賄賂を渡しておかないとね」
「お賽銭のことを賄賂って言う人は、多分黒瀬くんくらいしかいないんじゃないかな……」
いつもの調子を取り戻した黒瀬くんと他愛のない話を繰り広げながら、神社で参拝ならぬ神様に賄賂をお渡しして、ハート型の絵馬には願い事を書いた。
“ずっと一緒にいられますように”
シンプルだけど、これから先もずっと心の中に在り続ける思いを、京都旅行の思い出と共に絵馬に託した。
私が書いた文字を見た黒瀬くんは、その下に“いたい、じゃなくて、ずっと一緒にいる”と書いて、満足げに笑っている。



