逃げられるものならお好きにどうぞ。



そして、黒瀬くんが作ってくれたほんの少しだけ焦げた目玉焼きとトーストを食べて、一緒にソファに腰掛けながらのんびりお喋りをした。



いつも以上にやたらとくっついてくる黒瀬くんは、私が飲み物を取りに行こうとキッチンに立つ時までそばを離れようとしない。

私が理由を問えば、黒瀬くんの言い分は「暫く会えてなかったから、充電させて。百合子さんが足りない」とのことらしい。



少し遅めの昼食は、黒瀬くんが買ってきてくれたケーキをひとまず三個お皿に出して、それぞれを半分こずつにして食べた。



夕方になったら、二人で近くのスーパーに買い物に行って、黒瀬くんの希望で、夕食は一緒にオムライスを作ることになった。

卵と鶏肉に、晩酌用の缶チューハイとビールを買って帰る。



その頃には前日までの仕事の疲れなんてすっかり吹き飛んでいて、私は胸に広がる多幸感に頬を緩めていた。