逃げられるものならお好きにどうぞ。



「……まぁ、荷物係も必要だしね」

「俺は百合子さんと一緒なら、それでもいいけど」



どうやら二人とも納得してくれたみたいだ。ほっと息を吐く。



「言っておくけど、俺と百合子さんのデートで、美代さんはそのおまけみたいなものだから。邪魔しないでね?」

「はぁ? 何言ってるのよ。私と百合子ちゃんの女子会がメインで、椿はただの荷物持ちよ。しっかり働きなさいよね」

「あはは、何言ってるか分かんないや」

「はぁ? アンタのその耳は飾りなわけ?」

「……」


――あれ? この二人って元恋人同士なんだよね? よく言えば、軽口を叩き合える気安い仲と呼べるのかもしれないけど……笑顔で睨み合う二人の間から、甘い雰囲気は微動も感じられない。

それどころか、ギスギスと黒く澱んだ空気が発生しているような……。


三人でのショッピングに一抹の不安を感じながらも――こうして週末の予定は決定したのだった。