十二月三十一日。
今年もあと一時間ほどで終わりを迎えてしまう。
日中の時間は部屋の大掃除に費やした。
窓のサッシや細々したもので溢れていた棚の上まで、普段中々手を付けられない箇所を念入りに掃除して綺麗にすることができた。
夜は職場の同期であり、友人でもある三奈と一緒に、少しお高いフレンチの食べられるお店に行き、二人きりの忘年会を楽しんだ。
そして、三奈とほろ酔い気分のままに別れて帰宅したのが、つい数十分前のことだ。
本来ならそのまま私の家に三奈を呼んで一緒に年を越そうという話だったのだけど――三奈のスマホに、最近良い雰囲気らしい男性から着信が入ったのだ。
どうやら飲食店勤めの人らしく、今日も丸一日仕事のため一緒に過ごせないと言われていたらしいのだけど、独り身の先輩に変わってもらって早めに上がることができたらしい。
イケメン好きで惚れっぽい三奈だけど、今回は本気らしく、電話口に話す声は聞いたこともないような甘い声になっていた。
その顔も、正に恋する乙女といった表情で――だけど私に気を遣って断ろうとしている三奈に、口パクで「行って」と、そちらを優先するように伝えたのだ。



