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「……黒瀬くん?」
時刻は夜の二十二時をとっくに回っている。
耳に届いたインターホンの音に、こんな遅い時間に誰だろうと来訪者を確認すれば、そこには仕事帰りであろう黒瀬くんの姿があった。
――こんな時間に黒瀬くんが訪ねてくるなんて珍しい。
何か用事でもあるのかと扉を開ければ、特にいつもと変わらぬ様子の黒瀬くんが笑顔で立っていた。
「遅くにごめんね」
「ううん、それは大丈夫だけど……こんな時間にどうしたの?」
「んー……会いたくなったから。きちゃった」
「会いたくなったからって……さっきも会ったのに?」
問いかけながら、黒瀬くんを部屋に招き入れる。
十二月末の身の縮こむような寒さに、黒瀬くんの身体もすっかり冷え切っている。
ヒーターの前で待っているように伝えて、温かい飲み物を準備するためにキッチンに向かった。



