「マジかよ、やっぱそうじゃん! まさかこんな所で会うなんてなぁ。すっげー偶然! 俺、今友達と東京に遊びにきててさぁ」
中学から高校まで一緒だった、同級生である小林武弘が嬉しそうに歩み寄ってくる。
私は話なんて聞きたくもないし、特に話したいこともないのに。
だけど小林の口は止まることなく、友人と東京に遊びにきているのだとか、明後日までこっちに居る予定なのだとか、聞いてもないのにペラペラと話し続けている。
「つーか……アンタもしかして、コイツの彼氏?」
「……どーも」
黒瀬くんは問いに答えることなく、ニコリと笑顔だけで返す。
小林は「ふーん」と詰まらなそうな声を漏らしたかと思えば、黒瀬くんをジロジロと不躾に見つめてから、黙ったままの私を見下ろしてくる。
「へぇ、お前でも彼氏とか作れたんだな」
「……それ、どういう意味?」
「だってお前、中学の時からすっげー地味だったじゃん? 高校入ってちょっとは変わったけど、見栄張ってたのもバレバレだったっつーか。俺くらいしかまともに話せる男子、いなかったんじゃねーの?」
聞き返せば、小林は厭味ったらしくニヤリとした笑みを浮かべながらそう言い放った。



