地味な私とお嬢様!~正反対な2人なのに最強コンビでした~


無事にローズのティアラは元の位置に展示された。
生徒も先生も、談笑しながら教室へと戻っていく。

私は、玉城さんを呼び止めた。

「少し、お話ししてもいいですか?」

ピクッと玉城さんの肩が動いた気がしたけど、相変わらず表情は読み取れない。

「いいですよ」

玉城さんは、白金さんに先に教室へ戻っていて欲しいと伝えた。

白金さんは、私の顔を一度見て、何かさっしてくれたのか、何も言わずに歩いていった。


展示室の隣にある談話室。
静かなその部屋には、猫足のチェアが配置され生徒がくつろげる空間がつくられている。

玉城さんは窓際に立ち、オレンジ色の夕焼けをあびていた。
私は部屋に入ると、扉をしめた。

「ローズのティアラを隠したのは、玉城さんですよね?」

「……」

玉城さんの顔は影になっていて、今どんな顔をしているのかわからない。

「白金さんを試したかったんですか?」

私はかまわず問いただした。
”はじめてのおつかい”の時のように、玉城はいつも白金さんのために動いている。
今回もきっとそうなのではと、

でも、玉城さんは静かに首をふった。

影になった姿でも、彼が整った容姿をしているのがわかるから不思議だ。

「……いいや、あんたを。だね」

「わ、わたし?」

意外な返答に困惑する。

「お嬢様は、誰でも信じてしまいますから。だから俺は、近づく人間を見極める必要がある」

玉城さんは窓際から離れて、私の方へと歩き出す。
どうやら私は、玉城さんに試されていたらしい。
窮地に立たされた時、私がどんな態度や行動をするのかを。

「じゃあ、私は失格ですか?」

近づいて来た玉城さんに、私は毅然とした態度をとる。
ふつふつと怒りがわいてくる。
まさか、白金さんに心をゆるした途端、こんなことをされるなんて。

玉城さんは初めて、少しだけ表情を崩した。

「……いや。むしろ、これからもセイラと仲良くしてやって欲しい」

「えっ?」

「試して、悪かったな」

玉城さんは私の前で膝をつくと、私の手をとって口づけをした。

ふ、ふえぇ?

「これからは2人の時は、あかり、って呼ぶけどいい?」

「は、はい~!!?」

突然、何をいいだすの?

どうやらまた、玉城さんから別人の顔がでてきて、私は完全に振り回され混乱したのだった。