翡翠の一輪花と、若頭【完】




葵は組み伏せていた私の両手首をそっと解放すると、今度は私の腰を愛おしそうに抱き寄せ、首筋に深く顔をうずめて小さく息を吐いた。


────トクトクと、重なり合うお互いの鼓動が暗闇に響く。

葵の大きな手が、私の濡れた唇を親指で優しくなぞり、そのまま顎をクイと持ち上げた。



月光を反射して怪しく光る漆黒の瞳が、真っ直ぐに私を射抜く。





「他の男なんか見るな」


溢れ出る独占欲を隠そうともしない、ひどく甘くて強引な命令。


「お前は黙って俺の愛に溺れてろ」



────そう囁いた葵の顔が、再び、ゆっくりと近づいてくる。




私は、これ以上ない幸せをかみしめながら………込み上げてくる甘い熱に、そっと瞳を閉じた────。







〜fin.〜