買い物袋を手に、二人は昔ながらの駄菓子屋へと足を運んだ。店先には色とりどりの袋や瓶が並び、甘い香りが鼻をくすぐる。二人は千円分の駄菓子を選び終えると、敦子が袋を受け取ろうと手を伸ばす前に、愛斗がさっとそれを取り上げた。
「ありがとう、敦子さん」
「いいよ、重たいから持っててくれると助かるわ」
愛斗は袋を肩に掛け、カメラを手に取る。昭和の面影を残す街並みを背景に、あちらこちらでシャッターを切った。木造の家並み、古い看板、レトロな街灯――どれも絵になる風景だった。そして敦子を中心に、二人が肩を並べた写真も何枚も撮り重ねた。
店先に射的のコーナーがあるのを見つけると、二人は目を輝かせて挑戦した。慣れない手つきながらも、何度か試すうちに要領を得て、見事に駄菓子の詰め合わせを手に入れると、顔を見合わせて笑い合った。
展示会を後にした二人は、賑やかな商店街へと歩き出した。石畳の道をゆっくりと進み、ふと甘い香りに誘われてケーキ屋へ立ち寄る。ショーケースの中には、愛らしい形をしたたぬきのケーキが並んでいた。二人は同じものを二つ注文し、テーブルに向かって一口ずつ味わう。
「このケーキ、すごく美味しいね」
「うん、甘さがちょうどいい。また来よう」
ケーキを食べ終えると、今度は惣菜屋へと足を伸ばした。ジュージューと揚がる音が響く店先で、和牛コロッケとポテトコロッケを一つずつ買い、外のベンチに座って半分ずつ分け合って食べる。熱々でジューシーな味に、二人は満足そうに頷いた。
食べ終わった包み紙をポケットにしまい、手をしっかりと握り合って歩き出すと、店の主人が優しい笑みを浮かべて声をかけてきた。
「もしかして千沢敦子さんでしょう? 昔からテレビで拝見していましたよ。当時は大人気のアイドルだったなあ」
敦子は少し照れたように笑い、丁寧に握手を交わした。
「ありがとうございます」
主人と別れて愛斗の元へ戻ると、愛斗は少し羨ましそうにつぶやいた。
「敦子さんはすごいな。今でもこうして声をかけてもらえるなんて。俺なんて誰からもそんなふうに言われたことないよ」
敦子は愛斗の腕に手を回し、柔らかく微笑む。
「愛斗くんだって、これからきっとたくさんの人に知られて、人気者になるわ。私が保証する」
「……ありがとう」
愛斗は胸が熱くなるのを感じ、そっと敦子の唇に口づけを交わした。再び手を取り合い、二人は昭和撮影館へと向かった。
館の中には、昔流行った様々な服や小物が並んでいた。敦子はガラスケースに飾られたセーラー服と、色鮮やかなヨーヨーに目を留め、懐かしそうに指を差した。
「これ、昔のドラマで見たことがあるわ。とても懐かしい」
「ああ、『反山盟』のセーラー服だろ?」
「うん、よく知ってるのね」
「だって家にDVDがあるから、何度も見たんだ」
敦子は嬉しそうに頷き、その服とヨーヨーを借りて着替えた。愛斗も学生服に身を包み、昔の雰囲気そのままに何枚も写真を撮影した。
撮影を終えて私服に着替えると、二人は車に乗って海岸沿いを走り、恋人の岬へと向かった。岬の先端には願いを込めて鳴らす鐘が設置されていた。二人は並んで鐘の綱を握り、力を合わせてゆっくりと鳴らす。澄んだ音が潮風に乗って遠くまで響く中、心の中で同じ願いを唱えた。
――これから先も、ずっと二人で一緒にいられますように。
「ありがとう、敦子さん」
「いいよ、重たいから持っててくれると助かるわ」
愛斗は袋を肩に掛け、カメラを手に取る。昭和の面影を残す街並みを背景に、あちらこちらでシャッターを切った。木造の家並み、古い看板、レトロな街灯――どれも絵になる風景だった。そして敦子を中心に、二人が肩を並べた写真も何枚も撮り重ねた。
店先に射的のコーナーがあるのを見つけると、二人は目を輝かせて挑戦した。慣れない手つきながらも、何度か試すうちに要領を得て、見事に駄菓子の詰め合わせを手に入れると、顔を見合わせて笑い合った。
展示会を後にした二人は、賑やかな商店街へと歩き出した。石畳の道をゆっくりと進み、ふと甘い香りに誘われてケーキ屋へ立ち寄る。ショーケースの中には、愛らしい形をしたたぬきのケーキが並んでいた。二人は同じものを二つ注文し、テーブルに向かって一口ずつ味わう。
「このケーキ、すごく美味しいね」
「うん、甘さがちょうどいい。また来よう」
ケーキを食べ終えると、今度は惣菜屋へと足を伸ばした。ジュージューと揚がる音が響く店先で、和牛コロッケとポテトコロッケを一つずつ買い、外のベンチに座って半分ずつ分け合って食べる。熱々でジューシーな味に、二人は満足そうに頷いた。
食べ終わった包み紙をポケットにしまい、手をしっかりと握り合って歩き出すと、店の主人が優しい笑みを浮かべて声をかけてきた。
「もしかして千沢敦子さんでしょう? 昔からテレビで拝見していましたよ。当時は大人気のアイドルだったなあ」
敦子は少し照れたように笑い、丁寧に握手を交わした。
「ありがとうございます」
主人と別れて愛斗の元へ戻ると、愛斗は少し羨ましそうにつぶやいた。
「敦子さんはすごいな。今でもこうして声をかけてもらえるなんて。俺なんて誰からもそんなふうに言われたことないよ」
敦子は愛斗の腕に手を回し、柔らかく微笑む。
「愛斗くんだって、これからきっとたくさんの人に知られて、人気者になるわ。私が保証する」
「……ありがとう」
愛斗は胸が熱くなるのを感じ、そっと敦子の唇に口づけを交わした。再び手を取り合い、二人は昭和撮影館へと向かった。
館の中には、昔流行った様々な服や小物が並んでいた。敦子はガラスケースに飾られたセーラー服と、色鮮やかなヨーヨーに目を留め、懐かしそうに指を差した。
「これ、昔のドラマで見たことがあるわ。とても懐かしい」
「ああ、『反山盟』のセーラー服だろ?」
「うん、よく知ってるのね」
「だって家にDVDがあるから、何度も見たんだ」
敦子は嬉しそうに頷き、その服とヨーヨーを借りて着替えた。愛斗も学生服に身を包み、昔の雰囲気そのままに何枚も写真を撮影した。
撮影を終えて私服に着替えると、二人は車に乗って海岸沿いを走り、恋人の岬へと向かった。岬の先端には願いを込めて鳴らす鐘が設置されていた。二人は並んで鐘の綱を握り、力を合わせてゆっくりと鳴らす。澄んだ音が潮風に乗って遠くまで響く中、心の中で同じ願いを唱えた。
――これから先も、ずっと二人で一緒にいられますように。

