20年越しの初恋カメラの向こうの君と

乱入騒ぎが収まり、スタジオの空気がようやく落ち着きを取り戻すと、司会の松本若菜は柔らかい表情で末山愛斗の方へと向き直った。
「今回は突然の出来事で大変なことになりましたが、このあと出演予定だった愛斗さんがすぐに駆けつけてくださって、誰にも怪我がなく本当に助かりました。ありがとうございます。ところで… ファンの間でもささやかれていることですが、愛斗さん、敦子さんとは交際されているんですよね?」
問いかけられた愛斗は、少し緊張した面持ちながらも真っ直ぐな眼差しで答えた。
「はい、事実です。私は高校時代からずっと敦子さんの大ファンで、憧れ続けてきました。ドラマで共演させていただいたことをきっかけに想いを伝え、お付き合いするようになったんです。特に『今を抱きしめて』が一番好きな曲で、今日敦子さんが着ている衣装も、昔この曲を歌っていた当時の雰囲気をイメージしながら、二人で相談して選びました。
他にも『徹底的に愛を』が一番のお気に入りですが、『クリスマス・イブ』や『とんぼ』といった名曲も大好きで、何度も繰り返し聴いてきました。今日こうして憧れのステージで、この曲を間近で聴ける機会をいただけて、本当に光栄に思っています。私自身は8時台にも出演させていただく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします」
その率直な言葉に、周囲にいた出演者たちからは驚きと感心の声が上がった。
「これはもうガチのファンだよ! 長年の思いがこうして実を結ぶなんて、本当に素敵だね」
辛島美登里も優しく笑みを浮かべて頷く。
「愛斗さん、私が関わった作品や歌まで好きで聴いてくださっているなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます」
別の出演者も温かい声をかける。
「敦子さん、本当におめでとう!」
それらの声に応えるように、敦子は一歩前に出て、はっきりとした口調で語り始めた。
「この場をお借りして、正式に発表させていただきます。末山愛斗さんとは真剣にお付き合いをしています。これからも私たちらしく、ゆっくりと歩んでいきたいと思っています。今後とも二人のことを温かく見守っていただければ幸いです」
松本若菜もにっこりと笑顔を返す。
「ありがとうございます。このあと末山愛斗さんには8時台にも登場していただきます。それでは、敦子さん、栄作さん、35年ぶりのデュエット、どうぞ頑張ってくださいね!」
吉田栄作も二人の肩を軽く叩き、力強く言った。
「二人の幸せを心から応援してるよ。さあ、準備を始めよう」
敦子は愛斗に向き直り、柔らかく頭を下げる。
「愛斗くん、今日は本当にありがとう。いつもこうして守ってくれて…」
愛斗は優しく笑みを返し、静かに答えた。
「どういたしまして。俺がついているから、安心して思い切り歌ってきてください」
敦子はそっと微笑みを返すと、吉田栄作と共にステージ脇へと向かい、次のステージへの準備へと入っていった。
8時台になり愛斗は新曲離さないこの手を披露。
「末山愛斗さんで離さないこの手でした」 
「ありがとうございます」
「この場をお借りしてつたえたいことがあります」
「なんですか」
愛斗は敦子が座っているステージ袖に行って敦子をステージの中央に連れて行く。
敦子のために歌を作りました 僕のタイトルは
僕の大切なひとです
僕の大切な人
1
僕は高校のときから敦子がすき
敦子は昔から人気できれいでかわいいくて
高校のときから憧れの存在  
敦子に会うために芸能界にはいった
それから3年の月日がたち
敦子とドラマのオファーがきたときは
うれしかった
2
初めてあったときから恋に落ちた
ドラマで共演してキスしーンなどを演じれたぼくは
うれしかった 
それから居酒屋で勇気を持って告白してくれたこと
ドラマの撮影が終わり皆が祝福してくれたことうれしかったたよ
僕のそばにいてこれからもつくして
ほしいボクと結婚してください」
「ぼくと結婚してください」
愛斗は指輪をだして敦子にみせた。
「よろしくお願いします」
愛斗はプロポーズに成功して栄作や辛島美登里からも
祝福された。